理想郷(字幕)

解説

スペインを震撼させた実話に基づく
閉鎖的な村に観客自身も置かれているようなスリラー体験

第35回東京国際映画祭にて最高賞に当たる東京グランプリ/東京都知事賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の主要3部門を獲得し、「格差、外国人排斥、都市と農村の隔たりなどを重層的に表現した並はずれた傑作」と絶賛された話題作。東京グランプリ、最優秀主演男優賞の同時受賞は『最強のふたり』以来の快挙
フランス人夫婦アントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)とオルガ(マリナ・フォイス)はスローライフに夢を抱き、緑豊かな山岳地帯スペイン・ガリシア地方の小さな村に移住する。しかし、地元で生まれ育った村人たちは慢性的な貧困問題を抱えており、敵対関係が激化していく……。
スペイン全土に激震が走った実際の事件を基に、ロドリゴ・ソロゴイェン監督が映画化。名作『わらの犬』(71/サム・ペキンパー監督)でも描かれた“田舎と都会の対立”という題材ながら、コロナ禍以降は田舎暮らしが世界的に定着化してきており、日本でも酷似した事件が実際に起きている。そんな中、本作は人間に潜む、独りよがりな思考、憎悪、暗部、凶暴性に深く迫る。
主人公夫婦の夫が主となる第1部で、観客はガリシアの村に引き込まれるような緊張感漂う心理スリラーを体験することになる。また、妻が主となる第2部で、本作が実はラブストーリーであることが提示される。計算されつくされた様々な対比、伏線、カメラワーク、そして、女性の精神的な強さと揺るぎない愛の深さを大胆に描いた重厚感ある必見作。

【キャスト】
アントワーヌ:ドゥニ・メノーシェ
オルガ:マリナ・フォイス
ジャン:ルイス・サエラ
ロレンソ:ディエゴ・アニード
マリー:マリー・ゴロン

【スタッフ】
監督:ロドリゴ・ソロゴイェン
プロデューサー:イボン・ゴメンサナ
製作会社:アルカディア・モーション・ピクチャーズ
脚本:イゼベル・ペーニャ
音楽:オリベル・アルソン